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アトピー覚書ブログ

成人型アトピー 脱ステ・脱保湿患者のブログ

私のアトピー歴(5)脱保湿以降で最大の悪化・後編

病気は私が治す

今回の悪化を通して、いろいろと考えさせられたことがあります。

まずひとつめは、「治療の主体は私」であるということです。

つまり、私が病気にかかったとき、情報を集めたり、専門家の意見を聞いたりしたうえで、最終的にどのような治療を選ぶかは、私自身であるということです。

当たり前のように聞こえるかもしれません。けれども、現実には多くの患者が、「お医者様の言う通り」の治療を受けているのではないでしょうか。

例えば、命がかかっている癌患者なら、抗癌剤治療を選ぶかどうか、自らよくよく考える患者が多いと思います。しかし、いわゆるアトピーの場合、医師のアドバイス通りの治療を選ぶケースが多いと思われるのです。

 

今回、脱ステ医Aからは、細菌感染と診断され、抗生物質を処方されました。しかし、改善することはありませんでした。

温泉に行く前にも、脱ステ医Aの再診を受けました。そのときは、紫外線療法を勧められ、漢方薬を処方されました。

けれども、私は、ヘルペス関与の可能性から紫外線は悪影響を与える可能性があるし、過去の経験から漢方薬で良くなるはずがないと考えました。

また、脱ステ医Cからは、感染症の可能性は低く、且つ治りかけであると診断され、経過観察となりました(ある悪化因子の可能性も示唆されましたが、話が複雑になるのでここでは割愛します)。

けれども、私は、まったく治りかけておらず悪化傾向にあるので、何らかの手を打つ必要があると考えました。

もし、医師であるAやCの指示通りに治療を続けていたら、どうなったでしょうか。

改善したかもしれないし、悪化したかもしれない。予想がつきません。少なくとも数か月から半年くらいは、毎晩滲出液をにじませ、悪臭を放ちながら、ギリギリの日々を過ごしていたことでしょう。

一方、脱ステを断念する多くの患者がそうするように、病院の皮膚科でステロイド大量塗布を行っていたらどうなったでしょうか。

おそらく一時的に寛解したでしょう。しかし、一度外れた箍は元に戻らず、治療のためにステロイドを使用することは場合によっては必要なのだと、自らを欺きながら、薬漬けの生涯を送ることになったかもしれません。

 

何も医師の言う通りにしなければならないわけではありません。医師は専門家として治療の選択肢を提示しますが、選択肢を選ぶのは患者です。病気を治す主体は患者です。どうするかは患者である私が決断すべきことです。

私は、医師の指示通りにしていたら体がもたないと思い、温泉へ行くという決断をしました。それは、今回の結果に限っては、正しかったと思います。

 

もしかしたら、脱ステロイドを断念する患者たちは、似たような経験をしているのかもしれません。

つまり、脱ステ医から、これでは治るはずがないと思えるような治療を提示されたり、少しでも改善につながる何かを求めて受診しても、経過観察などに終わってしまうという経験です。

このまま放っておいて良いのか、いつになれば良くなるのか、という不安が生じたのかもしれません。あるいは、医師から見放されたという絶望感を味わったのかもしれません。

かてて加えて、症状の悪化は止まらない。そうであれば、治療の結果が明らかなステロイド治療へ戻ることに何をためらうことがあるのかと。

 

しかし、私は、こうも思いました。

私は、脱ステ医やその考え方に、依存し過ぎているのではないかと。

定期的に経過を診てもらっているわけでもなく、悪化したときにいきなり診察室を訪れ、何とかしてくれと助けを求めるのは、虫がよすぎるのではないか。

しかもステロイドを忌避するのだとすれば、医師としては抗アレルギー剤や漢方薬を処方したり、患者を励ますほかないのではないか。

また、脱ステ医の本領はステロイドからの離脱を助けることにあり、私のようなステロイドから離脱済みの患者は、自ら改善の道を探るべきなのではないか。

結局のところ、病気は脱ステ医が治すのではなく、私が治すのであり、脱ステ医への心理的依存から脱却する必要があるのではないか・・・。

今でも、自分なりに納得のいく答えは出ていません。心にわだかまりが残ったままです。

 

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経験則を信じる

また、今回、「自分の経験則を信じる」ことの大切さを感じました。 

私のこれまでの経験上、私にとって皮膚症状が明らかに改善する方法は、ステロイドを除くと、次のふたつです。

  1. 運動(発汗を伴う有酸素運動)
  2. 温泉

もちろん、睡眠と栄養は必要条件で、感染症合併時の抗生物質は例外です。

 

運動について補足すると、私の経験からは、

  • 汗が出ること
  • 実際に手足を動かすこと

が極めて重要です。

ですから、汗が出ないような身体的・時間的負荷の少ない運動では足りません。また、汗が出るといっても、体を動かさない半身浴や岩盤浴ではダメなのです。

 

温泉も、どんな温泉でも良いというわけではありません。アトピーに良いとされる温泉でも、例えば私には草津温泉などは肌に合いません。ですから、実際に私が温泉に入ってみて、改善を確認することが極めて重要なのです。

 

一方で、世の中には様々なアトピーに良いとされる方法があります。

  • 食事制限
  • サプリメント
  • 漢方薬
  • ストレス軽減

私の場合、これらの方法は選択肢に入りません。なぜなら、過去の経験において、私はこれらの方法で改善したことがないからです。

ステロイドも、私は、脱ステ医やメディアが「ステロイドは良くない」と言うからステロイドを使わないのではありません。過去にステロイドによるひどい副作用を経験したので、ステロイドは基本的に選択肢に入らないのです。

 

結局、今回は温泉に入ることで回復しました。標準治療もアトピービジネスも含め、医者や患者や業者らによるアトピーに効くとする不確かな情報に惑わされず、過去に温泉で改善をしてきた経験則を信じたことが、良い結果につながったといえると思います。

 

原因を探って治すアトピー

今回、私の身に何が起きたのか、何が原因で悪化したのか、わかりません。

症状からは、アトピー性皮膚炎そのものの悪化とは思えません。そもそも私は自分がアトピー性皮膚炎であるかどうかもわかりません。

おそらく、何らかの悪化因子に曝露して免疫異常を起こしたか、何らかの感染症にかかったか、それらが合併して起こったか、というところだと思いますが、推測の域を出ません。

夢のような話ですが、センサーを皮膚に接触させるだけで、即座に表皮・真皮の画像的診断ができ、併せて皮膚微生物叢の分布状態が数値的に確認できる医療機器が開発されればよいと思います。視診だけで、ああだこうだと言っていても、医師の能力次第で誤診の可能性があるからです。

事実、今回私を診察した3人の皮膚科医の診断は三者三様だったわけです。

 

ときに、アトピー性皮膚炎の悪化の要因として、心理社会的側面が指摘されることがあります。ストレスが悪化要因であるとか、アトピーの原因にとらわれすぎないほうがいいとか、カウンセリングによる心のケアで良くなる、などという主張です。

もし私が今回の悪化に際して、診察室で医師から「精神的な部分も原因かもしれないよ。あんまり原因にとらわれすぎない方が良い」などと言われていたら、心の中でその医師を張り倒していたと思います。

私は、今回の悪化時において、自覚的には精神的ストレスにさらされていなかったので、精神的ストレスが悪化要因とは考えられません。

実際にそのようなケースがあるかわかりませんが、仮に精神的ストレスが明白な悪化要因であった場合には、心理社会的側面からアプローチすることも適切かもしれません。

しかし、今回のように悪化要因がよくわからない場合に、医師から心理社会的側面を持ち出されると、大変危険であると感じます。心理社会的側面に拘泥することで、実質的に問題を先送りすることとなり、治療のタイミングを逸する可能性があるからです。

私は、今回の悪化の全体像はわからないものの、季節的変化が悪化のきっかけであったと思います。つまり、アトピー素因をもち、皮膚バリア機能が低下している個人において、気温や湿度の変化による血流量等の変化が皮膚の乾燥を生じさせ、乾燥によるかゆみが生じて掻きこわしたことが、きっかけであったと思います。

また、今回、乾燥による掻きこわしの傷が、ひどく悪化した原因を探る必要があります。なぜなら、再発する可能性があるからです。何らかのアレルギーが加わったか、あるいは感染症が加わったのか。

カポジであったかもしれません。抗ヘルペスウイルス内服薬を飲んだとき、少し改善した感じがあったからです。しかし、同時に保湿剤を塗ったので、保湿剤の効果だったのかもしれません。ヘルペスウイルスの検査を受けるべきだったかもしれません。

ともかく、原因をひとつひとつ探り、仮説を事実に置き換えていく作業が必要です。アトピーに原因があるのなら、原因を探らないでアトピーを良くできるはずがないからです。悪化因子の除去は基本中の基本です。

悪化時の対処法としては、温泉が有効であることが再確認されました。ただし、1回目の湯治の際に、抗ヘルペスウイルス薬の2クール目を内服していました。薬の効果は感じられなかったのですが、その効果を完全には否定できません。

対処法としても、今回の症状が、カウンセリングなど心のケアによって良くなることはなかったでしょう。薬物や温泉の化学的作用など、皮膚に直接作用する治療が必要だったと思います。当たり前かもしれませんが、思いの外、いわゆるアトピーを心の問題に矮小化しようとする意見が少なくないのです。

医師がアトピーを治せないときの言い訳として、または、業者が患者からお金をまきあげるための方便として、アトピーを心の問題にすり替えようとしているように私には思えてなりません。

心理社会的側面を考慮することのすべてを否定しませんが、心理社会的側面はあくまで「側面」 にすぎません。

 

ステロイドへの疑念

ところで、脱ステロイドにより皮膚炎を放置しておくと、感染症等を合併しやすいから危険だという意見があります。事実そうであると思います。今回の私の例も、そのひとつかもしれません。

しかし、個人の印象としては、そもそもステロイドさえ使っていなければ、こんな事態には陥っていないのだ、という思いがあります。

ちょっとしたことで湿疹ができたり、その湿疹がいつまでも治らなかったり、皮膚感染症にかかったり、ともかく皮膚が不安定になったのは、ステロイドを使用してからなのです。

また、家族にアレルギー体質の者がおらず、私ひとりだけがアレルギー体質で、ひとりだけ皮膚が浅黒く、皮膚が乾燥しており、成人期になってからステロイドを使用する羽目になったのは、幼少時にステロイド治療を受けていたからではないかという疑いも持っています。

ですから、今回の悪化は、ステロイドが遠因であるとも考えています。

皮膚科医はその考え方は間違っていると言うかもしれません。それならば、私が考え直すくらいの説得力のある言葉で語ってほしいと思います。

 

 (当サイトはいかなる治療法をも推奨するものではありません。また、当サイトに掲載されている情報を利用することにより発生したいかなる損害についても責任を負うものではありません。)