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アトピー覚書ブログ

成人型アトピー 脱ステ・脱保湿患者のブログ

2月8日NHKジャーナルでの竹原氏の解説

先週、NHKのラジオ番組「NHKジャーナル」に金沢大学附属病院皮膚科の竹原和彦氏が出演し、アトピー性皮膚炎について解説しました。

番組の内容は、NHKホームページによると、

「強いかゆみを起こすアトピー性皮膚炎。その原因などわかっていないことが多いが、専門の医師に最新の知見を解説してもらう。」

とのことでしたが、最新の知見の解説はありませんでした。番組では、竹原氏がこれまで行ってきた主張が繰り返されました。

 

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番組は10分程で、おおよそ次のような構成でした。

  1. アトピー性皮膚炎の診断方法
  2. 原因は解明されていないこと
  3. 治せないが対症療法で良くなること
  4. 標準治療は3本柱(塗り薬、スキンケア、悪化因子を減らす)
  5. 塗り薬はステロイドを使うこと
  6. ステロイドは一気に多めに使うこと
  7. 乾燥肌でもステロイドを使うこと
  8. スキンケアは保湿薬を使うこと
  9. 石けんやシャンプーなど皮膚を清潔に保つこともスキンケアになること
  10. 悪化因子で気をつけるべきこと
  11. アトピー性皮膚炎は必ずしもアレルギーではないこと
  12. アトピービジネスなどに振り回されないこと
  13. 患者がステロイドを怖がるのはステロイドバッシングのせいであること
  14. 力量のある専門医に診てもらうべきこと

個人的に聞きどころであると思ったのが、10,11,12,13です。

 

10.の悪化因子については、その通りだと思いました。該当部分を引用します。

キャスター:悪化するその原因の軽減ということなんですけれども、これ、どのようなことに気をつければいいんでしょうか。

竹原和彦氏:個々の患者さんで悪化しやすいというのを見つけていただくのがいいんですが、まずは皮膚に対する刺激を減らす。例えば、汗とか汚れは速やかに落とすと。

逆に、食べ物で過剰に制限されているケースもあるんですが、実際に食べてみて症状が悪化するものだけを避ければいいと思います。

花粉をよく言われるんですが、あまりこの病気の直接な原因とはいえないと思います。

自分で、悪化因子を探して、避ける、という当然のことを指摘しています。食べ物の過剰制限にあまり意味はなく、花粉は直接の原因でないという意見にも、私は同意します。

医師と同様に私も不思議に思うのですが、なぜかアトピー患者は、「食べ物が・・・」「花粉が・・・」と気にする人が多いように感じます。

 

次に、11.のアトピー性皮膚炎がアレルギーとは限らないという指摘も、知らない人にとっては有用な情報であると思います。

「アトピー性皮膚炎=アレルギー」という考え方が広く信じられていますが、例えば、赤ちゃんのよだれ食べこぼしや子供の派手な色のズックの靴の染料、そういったアレルギーではない刺激によってもアトピー性皮膚炎の症状が起こります。

また、アレルギーの検査で比較的実施されているIgEという検査があるんですが、これは・・・。

キャスター:IgEですね?

竹原和彦氏:本来、花粉症、蕁麻疹、喘息などの急性のアレルギーの原因をみる検査なので、アトピー性皮膚炎の患者さんは必ずしも血液検査の結果に振り回され過ぎないことをおすすめします。

アトピー性皮膚炎がアレルギーか否かは今も不明なので措くとして、IgE検査が目安にすぎないことは認識すべきと思います。

 

12.のアトピー治療における注意点については、議論の余地があると思いました。

キャスター:アトピーの治療をめぐって問題となるのが、ステロイドを使わなくても治るとうたった民間療法、これが少なくないことだと思うんですけれども、これ高い費用をとるところもあってアトピービジネスとも呼ばれています。患者がステロイドの副作用を怖がってステロイドを使わない治療を続けて重症化するという、そういうケースも私どもよく聞くんですけれども、アトピーの治療について私たちが知っておくべきこととか、注意点、こういったものは何なんでしょうか。


竹原和彦氏:まず、特殊な治療に頼り過ぎない。なぜならば、特殊な治療でも本当にいいものであれば、1年後には世界的な標準療法になっているはずですよね。(中略)

アトピー患者さんで往々にありがちなのは、専門家じゃない人どうしで「ああだ、こうだ」といってこじらせてるケース、これはいわゆる医療不信ということも、我々側にも責任はあるかと思いますが、患者さんも冷静に病気と向き合っていただくと。特別な治療は絶対に存在しない。それが正しいものであればすぐに標準治療になるということで、その誤った治療に引きずり込まれないようにしていただきたいと思います。

まず、

  1. ステロイドを使わなくても治るとうたった民間療法
  2. 1.のうち高い費用をとるアトピービジネス
  3. ステロイドを使わない治療

をすべて誤った治療として位置付けていますが、実はこれらは、100%誤っているとは言い難いのです。

なぜなら、治療としては誤っているかもしれませんが、すべてにおいて、いわゆるアトピー性皮膚炎の症状が改善する可能性があるからです。

1.は、その民間療法によって治ることはなくても、その患者がステロイド外用剤依存(ステロイド誘発性皮膚炎等)であった場合には、ステロイドを中止することで、いったん離脱症状を生じたあと、症状が改善すると考えられます。ただし、民間療法に係る費用負担が発生します。

2.も、症状が改善する可能性があることは同様です。ただし、高い費用をとる行為について経済的・倫理的な問題が生じます。

3.は、1.2.のように余計な治療を加えず、単にステロイドを塗ることを止める行為です。同様に、ステロイド外用剤依存等の場合は改善すると考えられます。また、余計な費用がかからないので、患者にとって経済的です。ただし、医師の指導の有無は考慮すべき問題です。

つまり、「アトピーの治療について私たちが知っておくべきこと」は、ステロイドは依存する場合があり、その場合はステロイドを中止すると改善する可能性があることです。

 

次に、「本当にいいものであれば、1年後には世界的な標準療法になっている」という指摘についてです。

前提として、皮膚科医や小児科医は、皮膚炎に対してほぼステロイドしか治療の手段をもたないので、ステロイドを標準治療にしておきたいという思惑があります。

しかし、60年前にステロイドが登場する前は、皮膚病の治療といえば、世界的にも温泉療法が標準治療であったと思います。

ステロイドは短期的には有効ですが、長期使用すると副作用が生じやすいので、長期的にはステロイドを使わない治療を目指すべきです。

現在、皮膚科医らが漫然と長期にステロイドを処方したために、患者が副作用を起こし、ステロイドを使わない治療に逃げ込んでいることが問題となっています。

こうした患者らは、皮膚科医らがステロイドしか処方する術がないことがわかっているので、仕方なく患者どうしで「ああだ、こうだ」といってこじらせています。

例えば、長期治療においては温泉療法が副作用も少なく有効です。ですから、温泉療法等を特殊な治療と軽視すべきではありません。

また、患者団体が1万6千筆の署名を日本皮膚科学会に提出して、ステロイドを使わない治療を認めるべきと訴えた経緯もあります。

標準治療によって治すことができないなら、アトピービジネスを除く、民間療法やステロイドを使わない治療も、選択肢として残すべきであると思います。

 

さて、今回の番組の最大の聞きどころは、13.のステロイドバッシングについて言及したところです。

これについては過去記事に追記しましたので、興味のある方は御覧ください。

atopysan.hatenablog.com