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アトピー覚書ブログ

成人型アトピー 脱ステ・脱保湿患者のブログ

標準治療患者を襲う不安

標準治療・ガイドライン

いわゆるアトピー性皮膚炎に対して、治療方法は2つに大別されます。

ひとつは、ステロイドやタクロリムス等の免疫抑制剤による薬物療法です。もうひとつは、これらステロイド等を用いない方法(脱ステロイドなど)です。

要は、ステロイドを使うか、使わないか、です。

そして、ステロイドを使う患者は「標準治療患者」、ステロイドを使わない患者は「脱ステ患者」などと呼ばれます。

 

私は脱ステ患者です。

その理由は、ひとつは、ステロイドおよびプロトピックを長期連用した後にリバウンド等の副作用を起こしたことがあり、ステロイド等が怖いからです。

ふたつめは、ステロイド等の使用後から皮膚が不安定になったという自覚があり、その感覚がリバウンドから10年以上が経った今も治らないなど、ステロイド等には未知の影響があると推測するからです。

ステロイドおよびプロトピックを処方されそうになったときは、きっぱり断ります。ステロイド点眼薬、ステロイド点鼻薬、ステロイド坐剤も断ります。ネブライザーも吸い込まないようにしています。

 

さて、話を戻すと、標準治療患者は、さらに2つのパターンに大別されます。

ひとつは、治療を始めてから標準治療一筋のパターン。もうひとつは、標準治療を一度やめて脱ステを行い、再び標準治療に戻ったパターンです。

ここで取り上げたいは、この「標準治療を一度やめて脱ステを行い、再び標準治療に戻ったパターン」の患者です(ここでは、再標準治療患者と呼ぶことにします)。

この再標準治療患者には大きな2つの特徴があります。ひとつは、標準治療こそ正しい治療であるとしきりに喧伝するという特徴です。もうひとつは、脱ステロイドは誤った方法であるとしきりに喧伝するというものです。

なぜこのような考え方をするようになるのでしょうか。

思うに、いったん標準治療をやめて再び標準治療を行っているという自己矛盾を打ち消すために、そして、脱ステロイドをやめる決心をした以上は脱ステロイドは絶対的に間違っているという信念を強固にするために、そのような喧伝をするのであろうと推測されます。

また、自己承認欲求も高いことがうかがえます。インターネット上などに標準治療によって改善した体験談を載せて、コメント等の反響を受けることで、標準治療は "正しい治療" であると他者から認めてもらうことが必要なのかもしれません。また一方で、脱ステロイドの批判を載せて、脱ステロイドは "誤った方法" であると他者から賛同を得ることで、自らを安心させたいのかもしれません。

さらには、自分が脱ステロイドに失敗したという事実に向き合ったときに、脱ステロイドはそもそも間違っていると考えることで、自己正当化を試みているのかもしれません。

自己正当化を試み、自己承認を要求し、標準治療は正しいと喧伝する。

このような再標準治療患者は、私からみると、常に不安に捉われているようにみえます。

 

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私の場合は、こうした不安はありません。

その理由は、症状の悪化の原因がステロイドに起因するものであることがわかりきっているからです。また、ステロイドを塗ったところで、一時は良くなっても決して治ることはなく、長期連用のリスクが生じることがわかりきっているからです。

ステロイドを使わない以上、ステロイドによる副作用が生じることはなく、リバウンドや依存に陥ることもないので、大きな不安に捉われることはないのです。

私の場合は、脱ステロイドによってアトピーが治ったわけではありません。

けれども、脱ステによる悪化の程度と、ステロイドによる副作用が生じたときの悪化の程度が、あまりにも大きく違い過ぎるのです。

私にとって標準治療は "誤った治療" であることがわかりきっているので、標準治療が正しくないと他者から追認してもらう必要はありません。

また、私にとってステロイドを使わない方が良いことがわかりきっているので、脱ステロイドが "正しい治療" であると、いちいち他者から賛同を得る必要もないのです。

そして、ここが大切なポイントですが、この考え方は私の場合にあてはまるけれども、他人にあてはまるかどうかはわかりません。

私と同じことをして、不安を払拭できるかどうかは、わからないのです。

 

「標準治療が正しいんだよ。」

「脱ステは間違っているんだよ。」 

はたまた、

「みんなアトピーなんだから主義主張を超えて病気に向き合おう。」

などと言いながら、ある種の治療を推奨するアトピー患者たちが少なくありません。

こうした声は、私にはまったくうすら寒いものに聞こえます。押しつけがましさすら感じます。

なぜなら、患者ひとりひとりにとって、答えは異なるからです。自分の成功体験を他人に押し付けたところで、同じ治療によって、その他人のいわゆるアトピーが治るかどうかはわかりません。

一言で言うと、素人の患者が余計なお世話なのです。

 

なかでも再標準治療患者は、興奮気味に、脱ステ批判の声を強める傾向があります。これは、脱ステ実践時の悪化症状が、ステロイドによって劇的に改善したからだと思われます。

確かに、多くの患者はステロイド大量塗布によって劇的に改善するでしょう。しかし、重要なのは、その後にステロイドから脱することができるかどうかではないでしょうか。

つまり、大量塗布から少量塗布へ移行できたとして、その後、ステロイドを完全にゼロにできるかどうかです。

私見ですが、悪化した症状の程度に関しては、10を1にすることはそれ程難しくないとしても、1を0にすることは大変難しいことと思われるのです。

過去に1を0にできなかったからこそ、一度は脱ステを試みたのではないでしょうか。すんなりステロイドから離脱できるタイプと、脱ステが長引くタイプがあるわけです。

ステロイドをゼロにできなかったとしたら、いつまで塗り続けるのかという不安、依存に陥るかもしれない不安に苛まれることでしょう。

個人的には、標準治療に戻る際に、大量塗布を行う事実が残ることが恐ろしいと感じます。

 

私は、再標準治療患者が標準治療に戻ったことに対して、標準治療はステロイドだから良くないと否定するつもりはありません。

ステロイドを使うことがその人にとっての正解であるかもしれないからです。何より、その決断を下したその人の意思は尊重されるべきです。

しかし、再標準治療患者が、脱ステロイドは誤った方法であると吹聴することはやめてほしいと思います。

繰り返しますが、余計なお世話なのです。

どんな患者に対しても一律に標準治療を押し付けようとする医師と同様、一律に標準治療は正しいと吹聴する再標準治療患者には嫌悪感を覚えます。

脱ステ患者が、「脱ステロイドこそ正しい方法である」と躍起になって宣伝することはあまりないように見受けられます。これは、脱ステ患者が、再標準治療患者ほどには不安に捉われていないからだと思います。

 

ところで、判断が難しいのは、赤ちゃんに対してステロイドを塗るかどうかという問題です。赤ちゃん本人の意思が確認できず、保護者の意思に左右されるからです。

赤ちゃんのなかにも、再標準治療患者がいるわけで、標準治療に戻った際におそらく免疫抑制剤の大量塗布の履歴が残ります。

思うに、標準治療によって乳幼児期を切り抜けたとしても、再発・悪化時期として知られる15歳~25歳に、実際に再発・悪化してしまった場合が心配です*1

なぜなら、乳幼児期のステロイド曝露、あるいは、乳幼児期から思春期までの継続したステロイド曝露が、思春期以降どのように影響するのか、あるいはまったく影響しないのか、わかっていないからです。

昨今の皮膚科医や小児科医らは、当然に赤ちゃんにステロイドを塗るべきと主張しています。

私は、こうした医師の主張にはまったく同意しません。赤ちゃんのDNAにまでステロイドを作用させ、免疫システムを抑制してまで湿疹を治すことが当然の治療とは思えません。

しかしながら、他人の赤ちゃんについて、とやかく言える立場ではありません。

 

最後に、脱ステの賛否を問うような、こうした言い争いや議論に参加するようになった患者というのは、ほぼ全員、ステロイドの使用歴があるのではないでしょうか。入口ではみなステロイドの洗礼を受けているのです。

使ったことのある患者なら、みな犯人には気づいているけれど、犯人であると当然にみなしている人たちと、様々な事情から犯人とは考えたくない人たちが、水掛け論をしているようにもみえます。

医師が何の疑いもなく薬を処方し続ける限り、この状況は続いていくものと思われます。

 

(当サイトはいかなる治療法をも推奨するものではありません。また、当サイトに掲載されている情報を利用することにより発生したいかなる損害についても責任を負うものではありません。)