アトピー覚書ブログ

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薄場皮膚科について

最近、私のアトピーを心配して、薄場皮膚科を勧めてくれる方がありました。

薄場皮膚科と聞いて、ああ懐かしいなあ、と思いました。あくまで私の印象ですが、10年くらい前は、青森県八戸市の薄場皮膚科医院と、高知県土佐清水市の土佐清水病院は、全国からアトピー患者が集まる病院として名を知られていたと思います。今も変わらず全国から患者が集まっているのでしょうか。

 

 

薄場皮膚科といえば、ステロイドの密封療法が有名です。ステロイド等の軟膏を全身に塗ったあと、ガーゼなどでぐるぐる巻きに密閉します。見た目はミイラのようになるそうです。私は受診したことがありませんが、インターネット上には体験談がたくさんあるので、その様子をうかがい知ることができます。

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また、雨宮処凛氏の著書「アトピーの女王」には、著者自身が薄場皮膚科医院を受診したときの様子が書かれています。ユーモアを交えつつ医院の様子がわかりやすく描写されていますので、興味のある人は目を通してみるとよいかもしれません。

アトピーの女王

アトピーの女王

 

 

この医院は公式のホームページをもたないようなので、噂や口コミが貴重な情報源です。

そこで、最近の口コミメディアであるTwitterにおいて、薄場皮膚科医院に対してどんなつぶやきがなされているかを調べてみました。

 

やはり、今も混んでいるようです。

 

効果のほどは、どうなのでしょうか。

評判は上々です。

なかには、動画もありました。

 

紫色の軟膏が特徴のひとつです。

 

 一部の患者の絶大な支持を集めているようです。

 

Twitterを調べた限りでは、薄場皮膚科に対しては、否定的な内容が皆無といっていいほどで、好意的な内容がほとんどでした。

 

では、私が薄場皮膚科を受診するかといえば、おそらく一生受診しないと思います。

なぜなら、薄場皮膚科はステロイド重層密封法が主な治療法であり、私は今のところステロイド・プロトピック等の免疫抑制剤および保湿剤を使用しない方針だからです。

ステロイドを塗って、さらに密閉すれば、症状は良くなるでしょう。良くならない方が怖いです。ひとまず、密封法により、見違えるように改善するでしょう。

次に、密封法ではない通常の塗布方法に移行できたとします。そうすると、塗っている間は良いと思いますが、ステロイドから離脱できるかどうかという問題が出てきます。ステロイド大量塗布の履歴も残ります。

 

また、薄場皮膚科では、独自に軟膏を製作しており、その軟膏に何が入っているかは、患者に知らされないようです。 

 

自分が今身体に何を塗っているのか分からないということは、私には大変に恐ろしいことのように思えます。ステロイドの含有の有無、ステロイドのランク、基剤は何か、などは、最低限知りたいことですし、記録にも残しておきたいところです。

また、雨宮処凛氏は、著書の中で、何の説明もなくステロイドの内服薬が処方されたことに触れています。

 

密封法に関しても注意が必要に思います。薄場皮膚科の診察時において、ステロイド密封法のリスクが説明されているかどうかわかりませんが、添付文書には次のようにあります。

【使用上の注意】
1.重要な基本的注意
(2)大量又は長期にわたる広範囲の使用〔とくに密封法(ODT)〕により、副腎皮質ステロイド剤を全身的投与した場合と同様な症状があらわれることがある

2.副作用
(1)重大な副作用(頻度不明)
眼瞼皮膚への使用に際しては、眼圧亢進、緑内障、白内障を起こすおそれがあるので注意すること。大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、緑内障、後嚢下白内障等の症状があらわれるおそれがある

(2)その他の副作用(まれに:0.1%未満、ときに:0.1~5%未満、副詞なし:5%以上又は頻度不明)
1)皮膚の感染症
皮膚の真菌症(カンジダ症、まれに白癬等)、細菌感染症(伝染性膿痂疹、まれに毛餒炎・ 、汗疹等)があらわれることがある。また、ウイルス感染症があらわれるおそれがある。〔密封法(ODT)の場合に起こり易い

(4)下垂体・副腎皮質系機能
大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、下垂体・副腎皮質系機能の抑制をきたすことがあるので注意すること。

5.小児等への使用
長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害をきたすおそれがある。また、おむつは密封法と同様の作用があるので注意すること。

「ロコイド軟膏0.1%」(2016年10月改訂第5版)添付文書より抜粋

重症の患者が密封法により改善するのであれば、それと比較衡量して発生頻度の少ないリスクは気にすることはない、という考え方もあるかもしれません。

実際に薄場皮膚科を受診して「良くなった」という声も聞かれますので、一概に否定する気はありませんが、私は密封法は遠慮したいです。

 

さて、私が気になったのは、薄場皮膚科について、Twitterでは好意的なつぶやきがほとんどだったことです。某インターネット掲示板でも、ときに慎重な意見も散見されましたが、多くは好意的な意見が大勢を占めていました。そこで、この理由について考えてみました。

多くのいわゆるアトピー性皮膚炎患者は、最初に皮膚科にかかるときは、近所の皮膚科に行くと思われます。そして、ステロイド治療が始まります。

そこで、一部の患者は、なかなか良くならず、このまま今の皮膚科に通っていて良いのか不安になると思います。そこで、どこかアトピーの良い皮膚科はないか探しているうちに、ネットや口コミで、薄場皮膚科や土佐清水病院の名を知ることになるのではないでしょうか。

おそらくステロイドを使いつつも重症化した患者が、薄場皮膚科を受診します。そこで、ステロイド大量塗布密封療法により、劇的に改善します。すると、患者は奇跡が起こったといわんばかりに喜び、薄場皮膚科に対する信頼を深めます。

好意的な意見がTwitter等でつぶやかれるのは、この段階においてではないかと推測します。

私見ですが、問題はその後です。いつまで薄場皮膚科に通い続けるか、軟膏を送付してもらうか。言いかえれば、いつまでステロイドを塗り続けるかという問題です。

なかには、すっきり治ってしまう人もいるかもしれません。しかし、軟膏を塗り続けなければ、調子が維持できないという人もいるかもしれません。

そうすると、一部の患者は対症療法に限界を感じ、いわゆる脱ステロイドに踏み切る者が出てくるのではないでしょうか。

あくまで私のイメージですが、アトピー患者の長いアトピー歴の中で、その前半において、比較的よく登場する医院が、薄場皮膚科や土佐清水病院なのではないかと思われます。

そして、アトピー歴の後半は、大病院の標準治療に向かうか、脱ステ医のもとに駆け込むか、という感じではないかと思います。

 

私は、

  • 近所の皮膚科→副作用(酒さ様皮膚炎)→脱ステ

というシンプルな経過でした。

ステロイドの密封療法や大量塗布は経験していませんし、ステロイド使用期間も比較的短期に留まりました。これは不幸中の幸いであったと考えています。

 

というわけで、ある人からせっかく薄場皮膚科を勧めていただいたのですが、受診についてはあまり気乗りしないというのが正直なところです。