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アトピー覚書ブログ

成人型アトピー 脱ステ・脱保湿患者のブログ

2016年 春の悪化

アトピー歴

アトピーが毎年春に悪化する

今年もやってきました。

3月から4月にかけての、春の悪化です。

今年は、3月中旬から始まって4月下旬まで続きました。5月に入ってやや落ち着いたものの、今も小康状態が続いているといった感じです。今年は少し長引いています。

悪化した主な部位は次の通り。

  • 膝の裏
  • 鼠蹊部から腰

特に、内腿がひどかったです。糜爛が出来ては消え、出来ては消えていきました。掻きむしった後の痛みのために歩行がやや困難な場合がありました。

私自身の過去の記録を見ると、毎年のように内腿が悪化しています。去年も内腿が悪化して落ち着くまでに2~3週間かかりました。

次のメモは3年前のものです。

4月×日

汗を少しかいた日から急激に悪化。夜に体中をかきむしってからでないと寝られなくなり、睡眠も浅くなった。朝起きると落屑がかなり積もる。毎日掃除機がけ。今回の悪化部位は、へその下から鼠蹊部にかけてと、内腿、すねとふくらはぎ、胸から腹。

3年前より悪化の程度はひどくないのですが、それなりに辛かったことは事実です。

私の場合、春の悪化はかゆみに特徴があるように感じます。全身的に体の内側から沸き起こってくるようなかゆみです。かゆみの程度も強く、掻くと吐き気がするほどです。

 

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アトピー性皮膚炎・春の悪化因子

なぜアトピーは春に悪化するのでしょうか。

3月はまだ本格的に汗をかく時期ではありませんし、今年は汗をかく機会の前に悪化しました。また、汗が原因で悪化するときは、明らかに自分でわかります。そのため、ここでは汗の影響は考慮しません。

汗を除くとすると、他には、

  • 紫外線
  • 花粉
  • ストレス

などが悪化因子として挙げられると思います。

 

紫外線

紫外線はお肌の大敵といわれます。実際に、日焼けのほか皮膚がんとも関連するようです。

一方で、アトピー性皮膚炎に対する紫外線療法が行われています。エキシマライトやナローバンドUVBなどの光線療法です。また、春夏に改善する人は紫外線量が増えるからかもしれませんし、海へ行って改善する人は全身で浴びる紫外線が効果的だからかもしれません。

紫外線は免疫抑制作用を持ち,皮膚における遅延型過敏反応や接触過敏反応を阻害し,さらには皮膚における腫瘍免疫を抑制することにより紫外線発癌をもたらす一因となっている。その中心となるのはランゲルハンス細胞が持つ抗原提示能の変調である。紫外線照射はランゲルハンス細胞に直接的に影響を及ぼす一方,ケラチノサイトからの免疫調節サイトカインの産生という間接的経路で,紫外線照射局所のみならず全身性に抗原提示能に変化を与え,免疫抑制を引き起こす。*1

このように、紫外線の免疫抑制作用がアトピーにはむしろ良い影響をもたらすようにも考えられます。

ただし、注意点もあります。発癌性のほかにも、とりわけアトピー患者にとっては、単純ヘルペスウイルスの再活性化が問題となるかもしれません。紫外線がヘルペス再発の誘因であるという指摘があります。

 

以上を鑑みると、私の場合、今回の悪化とヘルペスは関係ないと思われますし、紫外線の届かない衣服に隠された下半身が悪化しているので、紫外線の悪影響を受けているとは思えません。

 

花粉

次の図は、東京都が提供するとうきょう花粉ネットからの引用です。スギ・ヒノキ科花粉測定結果のうち測定点8(杉並区)のグラフ(シーズン)です。

 

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グラフからわかるように、東京ではスギ花粉は2月頃から本格的に飛散し始め、3月をピークに4月は減少に転じます。 皮膚症状が悪化したのは3月中旬でしたから、グラフとの相関性が低いです。

また、花粉が原因だとすると、衣服に隠された下半身が悪化することを説明しにくいです。

以上から、花粉の影響はほとんどないように思われます。

 

ストレス

春は進学や就職など新生活が始まる季節であり、新しい生活環境による精神的ストレスにさらされるため、アトピーが悪化するという説があります。

しかし、新生活によるストレスが原因だとすると、毎年春に悪化することが説明できません。進学1年目や入社1年目の人が悪化するならまだしも、入社10年目のベテラン社員が同様のストレスで悪化するとは考えにくいです。

薬を塗っても(あるいは脱ステロイドをしても)なかなか皮膚症状が抑えきれない場合があると思います。私見ですが、その場合に皮膚科医から「ストレスが原因ですよ」と言われたなら、治療を受け続けることを考え直した方がよいかもしれません。

なぜなら、その症状を治せないことを、医師が自ら宣言しているようなものだからです。また、医師が自ら責任を負うことを回避していることになるからです。

私は、皮膚症状の悪化がストレスになることはあっても、ストレスが皮膚症状の悪化につながることは殆どないと考えています。

さらに言えば、ストレスにさらされている場合はかゆみを忘れていることが多いと思います。例えば、仕事で、あるプロジェクトが進んでいるとしましょう。プロジェクトの最中は気が抜けないので、かゆくなる暇も掻いている暇もありません。ストレスによってコルチゾールの分泌が増加しているからかもしれません。

そうしたケースでかゆみが起こるとすれば、プロジェクトが終わったときやプロジェクトの山を越えたときなど、ストレスから解放されたときではないでしょうか。ネガティブフィードバックによるコルチゾール低下や自律神経系が関与しているのかもしれません。

適度なストレスは、むしろかゆみを抑制しているかもしれないのです。なお、ここでは「ストレス」と「疲労」を別のものとして考えています。

いずれにせよ、都合よくストレス説を持ち出す医師を私は信用できません。

 

気温の上昇とともに・・・

私にはアトピーが春に悪化する原因がよくわかりません。

ただ、ひとつ気にかかるのは、気温の変化と皮膚症状が相関しているように思えることです。秋は気温の低下とともに皮膚症状が悪化し、春は気温の上昇とともに皮膚症状が悪化するようです。

次の図は、今年2016年3月の東京における日ごとの最高気温等の変化を表したグラフです。

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3月の私の記録を確認すると、症状が明らかに悪化したのは、9日と17日でした。

偶然かもしれませんが、最高気温が20℃を超えた日の当日もしくは翌日です。切ないことこのうえないのですが、うららかな春の陽気とともに、皮膚症状が悪化する感じがあります。

気温の上昇と相関する何かによって、皮膚に変化が起きているのでしょうか。体温の上昇、血流量の増加、汗腺・皮脂腺の活発化、ホルモン分泌量の変化などが考えられます。花粉以外のアレルゲンの可能性も捨てきれません。

毎年似たような部位が悪化することを考えると、常在細菌叢の変化や真菌の増殖が関与しているのかもしれません。

また、感覚的な話になりますが、この時期の悪化は、皮膚が寒冷気候から温暖気候に対応するための過程で起きているようにも思えます。アトピー性皮膚炎患者の場合、体温調節や発汗を円滑に行うには寒冷気候に最適化した皮膚のままでは難しいので、痂疲をつくったり落屑を繰り返して皮膚を温暖気候に最適化させる必要があるのではないでしょうか。

それにしても、なぜこのようなややこしい皮膚になってしまったのか、悲しい気持になります。

 

なお、冬に悪化した顔と手首は、それぞれ症状が緩和されています。赤ら顔はなかなか治りづらいでしょうけれども、手首の季節的悪化は完治の兆しが見えています。

*1:上出良一, 紫外線防御の皮膚科学的意義, 日本化粧品技術者会誌 Vol. 30 (1996) No. 3.