アトピー覚書ブログ

成人型アトピー 脱ステ・脱保湿患者のブログ

Topical steroid addiction (ステロイド外用剤依存)

はじめに

今年2月(2016年2月)、英語版ウィキペディアに「Topical steroid addiction」(ステロイド外用剤依存)の記事が投稿されました。

海外においては、ステロイド外用薬がもつ依存性について、少しずつ認識が深まっているようです。

ステロイド外用薬の依存性について、日本では、度重なる報告があったにも関わらず、日本皮膚科学会が否定的な見解を示してきたためにその存在が数十年にわたり認められてきませんでした。

けれども、海外での評価が定まれば、日本における認識も変わってくるように思います。一般的に、日本は海外での評価を大きく受け止める傾向があるからです。

これまで「ステロイドに依存性などない」と主張してきた皮膚科医らが、手のひらを返し、過去の言動については素知らぬ顔で、依存性を認める姿が近い将来見られるかもしれません。

少しずつ、ステロイドの負の側面が理解されてきています。世界中で起きている事実は隠しきれるものではありません。

ステロイド外用薬の副作用に対する正しい知識が普及し、副作用に悩む患者が一人でも減ることを心から祈ります。

 

ステロイド外用剤依存

「Topical steroid addiction」(2016年3月17日 02:18 UTCの版)『ウィキペディア英語版』の記事を以下に翻訳・転載します。

 

ステロイド外用剤依存

ステロイド外用剤依存(TSA)がステロイド外用剤の長期使用(何週間、何か月あるいは何年もの期間にわたり皮膚にステロイド外用剤を塗布した使用者)において報告されている。[1][2] ステロイド外用剤依存は、コントロール不良な拡散して悪化する皮膚炎症により特徴づけられるもので、最初の処方薬と同じ結果を得るためにはより強いステロイド外用剤が必要となるものである。ステロイド治療を中止すると、皮膚は、発赤、灼熱感、掻痒、熱い皮膚、腫脹、浸出液を、相当の期間、経験することになる。これは「レッドスキン症候群」や「ステロイド外用剤離脱(TSW)」とも呼ばれる。離脱期間が過ぎた後、そのアトピー性皮膚炎は消失するか、以前よりも軽快する可能性がある。[3]

 

作用機序

従来、コルチゾールは副腎のみから産生されると考えられていたが、最近の研究では、ヒト皮膚のケラチノサイトもコルチゾールを産生することが示されている。[4] ステロイド外用剤への長期的かつ連続的な曝露により、コルチゾール産生を調節する身体能力が妨げられると考えられている。

 

ステロイド外用剤離脱

所見

炎症性の紅斑と灼熱感を呈する離脱症状は、重度で長期にわたる。患者の多くは灼熱感と掻痒を経験する。温暖な気候、運動、周囲の熱により症状はしばしば悪化する。少数の患者は冬季に悪化する。コルチコステロイド離脱のパターンは、一般的には非常に独特である。[5] ステロイド外用剤を中止した7-10日後、局所的拡大および著明な灼熱感を伴う紅斑の最初の炎症が、元々の皮膚炎のあった場所に生じる。この炎症は7-14日程度続き、落屑に至る。炎症と鎮静のパターンが繰り返される度に、炎症期間はより短く、鎮静期間はより長くなる。浮腫、灼熱感、紅斑は、炎症の発現ごとに軽減される。

 

症状

 「最終的に私の皮膚は裂け、浸出液が出て割れ始めました。血まみれで、ひどく痛み、毛は抜け落ちました。私はまったく悲惨な状態でした。眠ることができず、食べることもやっとの状態でした。」[6] - カナダの女性

 

レッドスキン症候群、またはステロイド外用剤依存は、ほとんど知られていない副作用である。それは患者を火傷被害者のような状態にする灼熱感を伴う赤い発疹である。1年半にわたり、彼は、全身の湿疹、過剰な落屑、持続する悪寒、重度の腫脹、浸出液、体毛喪失、不眠症、便秘、視力障害などの強烈な離脱症状に苦しんだ。「最初の10日間は恐ろしいものでした。それからは少しずつ落ち着いてくるようでした。バスルームに行くことができるようになり、1度に1時間ずつ徐々に眠れるようになりました。」[7] - オーストラリアの男性

 

クリームが2年前に効かなくなり、そのロンドン市民が完全に治療を中止すると、ステロイド外用剤離脱のために皮膚発赤および落屑が続く疾患であるレッドスキン症候群が彼女の体に生じた。「私の全身はあまりに過敏になり服も着られないくらいでした。絶え間ない痛みと、恐ろしい灼熱感がありました。」[8] - イギリスの女性

 

期間

最終的に皮膚が「正常」になる前の、急性ステロイド外用剤離脱期間およびピーク時は、数日から数か月まで様々である。元の状態に戻るまでには数週間から数年がかかるかもしれない。*1

この記事は、クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0 非移植のもとで公表されたウィキペディアの記事「Topical steroid addiction」を素材として二次利用しています。履歴

引用部分は当サイト「アトピー覚書」による翻訳記事であり、クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0 非移植にて提供します。

 

以下、参考として、「Topical steroid addiction in atopic dermatitis」(アトピー性皮膚炎におけるステロイド外用剤依存)という論文より、ステロイド外用剤依存患者の外観写真を転載します。

f:id:atopysan:20160422194029j:plain

(A) 離脱前の痒疹様皮疹を伴うステロイド外用剤依存の典型的外観。
(B) 強いステロイド外用剤の量を減らした直後の外観。依存が重症であり患者は漸減法で安全に離脱することができない。
(C) ステロイド完全中止後、リバウンドの紅斑が拡大。
(D) 1年後の外観。リバウンドはほとんど鎮静したが被刺激性の亢進が残る。

 

 

(関連記事)

ステロイド外用薬の副作用(4:リバウンド・酒さ様皮膚炎) - アトピー覚書

ステロイド外用薬の副作用(5:ステロイド外用剤依存) - アトピー覚書

ニュージーランドにおける依存とリバウンド - アトピー覚書

 

(関連外部リンク)

http://itsan.org/

ITSAN・国際ステロイド外用剤依存ネットワーク 日本語サイト International Topical Steroid Addiction Network

「アトピー性皮膚炎におけるステロイド外用剤依存」 - アトピー性皮膚炎のステロイド外用剤離脱

*1:Topical steroid addiction (17 March 2016, 02:18 UTC). In Wikipedia: The Free Encyclopedia. Retrieved from https://en.wikipedia.org/wiki/Topical_steroid_addiction