読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

アトピー覚書ブログ

成人型アトピー 脱ステ・脱保湿患者のブログ

ダニ減感作療法薬

治療薬

ダニ減感作療法薬が相次いで発売

先週、「ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎」に対する新しい減感作療法(アレルゲン免疫療法)薬が発売されました。アトピー性皮膚炎とは関係のない話かもしれませんが、アレルギー性鼻炎を合併している患者も多いと思われますし、今年は少し特別な年でもありますので紹介したいと思います。

 

先週発売されたのは、鳥居薬品の「ミティキュア ダニ舌下錠」です。

f:id:atopysan:20151208212718j:plain

 

減感作療法薬は、これまで皮下注射するタイプの薬が臨床使用されてきましたが、ミティキュアは、文字通り、舌下に投与する舌下錠です。

鳥居薬品は、今年4月にも、皮下注射用の治療用ダニアレルゲンエキス皮下注「トリイ」を発売しています。

つまり、ダニ抗原に対するSCITとSLITの両方の薬を今年発売したことになります。

  • 皮下免疫療法 (subcutaneous immunotherapy: SCIT) 
  • 舌下免疫療法 (sublingual immunotherapy: SLIT)

また、去年、鳥居薬品は「シダトレン スギ花粉舌下液」を発売しており、花粉症患者の間で話題となったことは記憶に新しいところです。

他方、先月、塩野義製薬が、同様にダニ抗原によるアレルギー性鼻炎に対する減感作療法薬「アシテア ダニ舌下錠」を発売しています。

そして、上記の薬のいずれもが健康保険の適用となります。

ですから、今年は、健康保険の適用となるダニ抗原によるアレルギー性鼻炎に対する減感作療法薬が、舌下錠を含め、相次いで発売された特別な年といえます。

 

ミティキュアについて

鳥居薬品のプレスリリースより抜粋します。

「ミティキュア」は舌下に投与する減感作療法薬(舌下錠)であり、従来から施行されてきた皮下注射による減感作療法と比べ、注射による痛みもなく自宅で治療ができるのが特徴です。国内で実施した室内塵ダニアレルギー性鼻炎患者(12歳~64歳)を対象とした第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験において、本剤の投与による鼻炎症状の軽減が確認されております。

<減感作療法(アレルゲン免疫療法)について>

 減感作療法とは、アレルギー疾患の原因となるアレルゲンを、低濃度から投与し、アレルゲンに対する過敏性を減少させる治療法で、下記のような特徴があります。

● アレルギー症状を軽減したり、長期にわたり症状をおさえる可能性のある治療法です。

● 治療前に、症状がアレルゲンによるものかの確定診断が必要です。

● 治療は長期間(3~5年)かかります。

● すべての患者さんに効果が期待できるわけではありません。

 特に舌下減感作療法は、患者さんが自宅で毎日服薬を続ける治療であるため、起こりうる副作用やその際の対応も含め、患者さんご自身の治療法に関する十分なご理解が重要になります。

 

上記のように、治療を受けるためには、「ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎」の確定診断が必要となるので、少しハードルが高いと思われます。 これは「アシテア」でも同様です。

重大な副作用としては、アナフィラキシーの可能性があります。これについては、初回投与時に、投与後の患者の状態をしばらく観察するなどの注意が払われることと思います。

 

ハウスダストとダニ 

鳥居薬品は、1963年から皮下注射のハウスダストエキスを製造販売してきました。ハウスダストにはダニも含まれると考えられるので、ダニによるアレルギー疾患の減感作療法としては、このハウスダストエキスが用いられてきました。

しかし、ハウスダストにはダニ以外の成分も含まれるため、ダニエキス自体を成分とするSCIT 製剤の早期開発が要望されていたとのことです*1

今年発売された「ミティキュア ダニ舌下錠」および治療用ダニアレルゲンエキス皮下注「トリイ」は、2種の室内塵ダニ、コナヒョウヒダニ及びヤケヒョウヒダニより得られたアレルゲンエキスです。

 

アトピー性皮膚炎への適応

減感作療法薬がその適応とする主な疾患は、花粉症、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などです。例えば、ミティキュアとアシテアは、ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎が適応となるなので、アトピー性皮膚炎に対しては処方されません。

残念ではありますが、そもそもアトピーは多因子疾患なので、ピンポイントで特異的な抗原に対処しても、なかなか有効性に乏しいような気がすることも確かです。

ところで、アトピー性皮膚炎にも適応となる減感作療法薬としては、「ヒスタグロビン皮下注用」があります。保険も適用されます。ヒスタミン及び人免疫グロブリンの配合剤ということで、生物学的製剤ですね。抗原特異的ではないので、非特異的減感作療法と呼ばれているようです。

しかし、最近、あまり良くない形で脚光を浴びることになってしまいました。

化学及血清療法研究所(化血研)が、国の承認書と異なる方法で血液製剤を製造していた問題です。ヒスタグロビンも、承認書と異なる方法で製造されていたことが判明、厚生労働省から出荷差し止めの指導があり、化血研は出荷を自粛することとしたようです。

 

その他、コリン性蕁麻疹を含め、精製汗抗原やマラセチア抗原に対する減感作療法についても研究が進められているようです。こちらは研究が進展することを望みます。

 

 (当サイトはいかなる治療法をも推奨するものではありません。また、当サイトに掲載されている情報を利用することにより発生したいかなる損害についても責任を負うものではありません。)

*1:治療用ダニアレルゲンエキス皮下注「トリイ」 インタビューフォームより