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アトピー覚書ブログ

成人型アトピー 脱ステ・脱保湿患者のブログ

ぎりぎりな感じ

標準治療を推進している医師のなかには、ガイドラインが普及したことにより、アトピー性皮膚炎の重症例が減ったと主張している人たちがいます。

マスメディアのステロイドバッシングが激しさを増した1990年前後のAD治療は,おおいに混乱し,「脱ステロイド療法」が蔓延し,悪化症例が増えていった。地下鉄に乗っても,1車両に1~2人は,真っ赤な顔をした「いわゆる赤鬼様顔貌」の成人ADの患者さんがいたものであるが,最近では珍しくなってきたのは,ガイドラインの普及によるところが大きいといえる。*1

1990年前後には、赤鬼様顔貌の成人アトピー性皮膚炎患者が1車両に1~2人いたとのことです。ものすごく高い発症率です。

本当でしょうか?

そして、最近では赤鬼様顔貌のアトピー患者は珍しくなってきたとのことです。

本当でしょうか?

 

私も個人的印象に基づいて述べてみたいと思います。

赤鬼様顔貌の成人アトピー性皮膚炎患者は減っていません。街で見かけることも少なくありません。最近も、街で赤鬼様顔貌をもつ人を見かけました。

スーツを着た40代くらいの男性で、昼休みにコンビニへ弁当を買いにきていたのです。一見してアトピー患者とわかる感じで、首から上が赤く、ところどころに湿疹ができていました。顔がかゆくて、ずっと掻きたいのを我慢しているようにみえ、しばしば手で顔を触っていました。

他の例もあります。先日、電車に乗っていたときのこと、重症アトピーのお母さんが、赤ちゃんを抱いて立っていました。服で隠せないところは、すべて赤黒く苔癬化しているようでした。これでは子育てどころではないのではないかと、いたたまれない気持ちになりました。

赤鬼様顔貌までいかなくても、アトピーで顔が浅黒く乾燥しているくらいの人であれば、もっと見かける頻度は高くなります。

朝に電車通勤していた20代くらいの女性です。必死にかゆみをこらえているのが傍目からもわかり、時々我慢できずにポリポリ首などを掻いていました。顔をしかめて、眉間にしわが寄っていて、この時もいたたまれない気持ちになりました。

 

また、私の身近な生活範囲のなかには、成人重症アトピー患者とみられる人が少なくありません。

近所のスーパーでレジを担当しているパートの20代くらいの女性は、手のあちこちに湿疹ができていました。夏でも長袖を着て、お釣りを渡すときに、少しでも湿疹が見えないように気を使っていました。

近所のコンビニでアルバイトをしていた20代くらいの男性も、お釣りを落とすように渡して、すぐに手を引っ込めて、お客さんに手が触れないよう気を使っていました。顔はかなり赤黒くて、見かけるたびに心が痛みました。最近は姿を見かけません。どうしてしまったのでしょう。

近所のファミリーレストランの40代くらいとみえる男性店長は、赤鬼様顔貌です。店長らしく、いつもアルバイトに指示しながらきびきびと仕事をしているのですが、忙しい時間帯が過ぎてちょっと一息つけるようなときに、顔をこすっていました。

このように、個人的な印象としては、赤鬼様顔貌は減っていません。それとも、ガイドラインによる治療では赤鬼様顔貌を治せないということでしょうか。

 

前置きが長くなりましたが、今回書きたかったのは、記事タイトルの件です。つまり、上記で紹介したような、一見して重症アトピーであって常にかゆみに耐えているような人たちから「ぎりぎりな感じ」が醸し出されているという点です。私には、皮膚症状が爆発寸前の限界付近で踏みとどまっているように感じられます。

 

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あくまで推測ですが、こうした人たちは、ステロイド薬で症状をコントロールしているのではないかと思います。皮膚症状が劇的に悪化するぎりぎりのところを、ステロイドで何とか抑え込んでいるようにみえます。

なぜそのように考えるかといえば、私の個人的な経験では、起床時および夕方・夜以外の、日中の時間帯に、我慢できないようなかゆみが出たのは、ステロイド外用薬を使用しているときだけだったからです。

もちろん、ちょっとしたかゆみであれば24時間生じます。そうではなく、午前10時など起床後の発作が終わってしばらく経ったあとの時間帯や、午後2時などの真昼間の時間帯に、トイレへ行って人目から隠れて掻きむしりたくなるくらいのかゆみは、ステロイドでしか引き起こせないのではないかと考えるのです。

そうすると、余計なお世話かもしれませんが、ステロイド治療が奏功していないこと、かつ、依存に陥っている可能性が高いことから、早晩、ステロイドで抑えきれなくなるのではないかと、ハラハラさせられるのです。

 

こうした人たちが、ステロイド治療がうまくいっていないために「ぎりぎりな感じ」になっているとしたら、ガイドラインの普及によって、ますますそうした患者が増えていくのではないかと危惧します。

私としては、ガイドラインの普及でAD患者が減ったなどと、勝手にアトピーの収束宣言を出されては困ります。むしろ、ガイドラインの普及は、重症アトピー患者量産の幕開けではないかと考えています。

*1:江藤隆史, アトピー性皮膚炎の標準治療の普及を目指して, アレルギー・免疫 Vol.16,No.4,2009, 7(473).