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アトピー覚書ブログ

成人型アトピー 脱ステ・脱保湿患者のブログ

他人のアトピーを良くしたい?

世の中には、アトピー患者のコミュニティがたくさんあります。そのなかには、

「他人のアトピーを良くしたい」

「他人のアトピーのために役立ちたい」

という殊勝なコンセプトのもとに活動しているところもあるようです。

 

私は、こうした考え方を見聞きすると、もやもやした気分になります。

私は、他人のアトピーを良くしたい、他人のアトピーのために役立ちたい、などとは、一度も考えたことがありません。

なぜなら、アトピーの症状は一人ひとり異なるからです。重症度、発症時期、ステロイドの使用有無・使用期間、保湿剤の使用有無・使用期間、脱ステ・脱保湿からの経過期間、合併症の有無、細菌・ウイルス・真菌感染の有無、アレルギーの有無、スキンタイプ、年齢、性別、職業、居住地域、アトピー性皮膚炎の定義、などなど、いわゆる「アトピー」はさまざまな要因によって症状が左右されます。

症状が一人ひとり異なるにもかかわらず、個人的な改善体験や、特定の治療方法、特定の医薬品その他商品等を推奨することに意味があるとは思われないのです。

当然のことですが、その人にとって良いものが、他人にとって良いものとは限りません。

そうしたコミュニティが、どれだけ改善に役立つとする情報をデータベース化しようと、アトピーが改善したとする実体験を列挙しようと、いくら量を増やしたところで、それがその人にとって良い結果をもたらす質の良い情報である保証はないということです。

私は、他人のアトピーを良くするかもしれない情報を、他人に勧めたいとは思いません。上記の理由のほか、私は医療関係の専門家ではありませんし、何の資格も持っていませんし、自らの皮膚症状を克服できていないということもあります。そして何より、その情報に基づいた治療による悪化リスクがゼロではないので、倫理的にできません。

私はあるサイトで、運営者であるアトピー患者が、赤ら顔にステロイドを塗布することを勧めているのを読んで背筋が寒くなったことがあります。

 

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まだ、もやもやがとれません。

そうしたコミュニティの多くが、アトピー患者自身によって運営されているからかもしれません。

アトピーがほとんど寛解した、と主張する人の成功体験であれば、少しは(ほんの少し)聞く耳をもてるかもしれません。しかし、仮に自身もアトピーに悩んでいる人からのアドバイスであれば、まったく関心がありません。

さらに、そうしたコミュニティで、アトピーに良いとされる特定の商品が販売されるとしたら、どう受け止めればよいでしょうか。あるいは、もし飲食にかかる費用を超えたコミュニティ参加費が請求されるとしたらどうでしょう。私としては、コミュニティの存在意義を問わざるを得ません。

 

一方、私がそのコンセプトに共感する患者コミュニティに「atopic(アトピック)」があります。なぜ、アトピックに対してはもやもやしないのでしょう。私は参加したことはないので、以下は客観的な評価になります。

  • 医師が主体的に関与している
  • 「ステロイド・保湿剤等の副作用」を問題とするなど参加者が共通の認識をもっている
  • 「ステロイド・保湿剤等の副作用」を広く伝えるなど活動内容が明確である
  • 適正なガイドラインへの改訂など、目的が公共の利益に資する
  • 非営利で運営はボランティアによる

さらに考えてみると、アトピックの良いところは、講演会や勉強会において、参加医師が患者を交えてアトピー性皮膚炎の知見につき常に「検証」を行っている点ではないかと思います。

治療方法や新たな知見について「検証」を重ねてより良い治療を追求するという活動と、患者同士が悩みを「共有」するという活動が、車の両輪のようにうまく機能しているように思います。

検証なきままに情報をかき集めて垂れ流すこととは性質が異なります。また、アトピー教室の類は、検証というよりは上意下達の「指導」でしょう。

その他、具体的な医療相談については、医師の診察を受けることが原則とされているようです。患者同士の口コミ情報だけではなく、医師の評価が必要ということでしょう。脱ステロイド・脱保湿療法に関しては独自のネットワークをもっているので、患者の要求に応え得る医療体制があることもメリットのひとつです。

まとめると、医師が主体的に参加して診察まで行い、そこで推奨される脱ステロイド・脱保湿療法は依存状態からの短期的離脱において成功率9割以上という実績があり、さらに患者からのフィードバックを生かして継続的に治療方法の検証を行っている、などの点に個人的に好意がもてるのだと思います。

とは言いながら、アトピックに参加することを推奨しているわけではありません。

 

さて、アトピー性皮膚炎に長年悩まされている人であれば、あらゆる治療法を試したことがある人がほとんどではないでしょうか。そして、何度となく失敗をした経験をもっているのではないでしょうか。

いったい何度期待をしたことでしょう。そして、何度裏切られたことでしょう。何をしてもうまくいかないと、何度打ちひしがれたことでしょう。なぜ自分がこんな目に遭わなければならないのか。自殺の二文字が思い浮かぶほどに、追い詰められた人も少なくないと思います。

そのように苦しんだ人であればあるほど、他人に治療法を勧めるということが、どれほど無意味で、ともすれば残酷であることを、身をもって知っているのではないでしょうか。

冷たいと思われるかもしれないけれども、アトピーに苦しむ人に対して、何も勧めず、自分で答えを探すしかないんだと突き放すことも、ひとつのやさしさではないでしょうか。

 

私個人が運営する当サイトは、文章中において特定の治療法を推奨するものではなく、アトピー性皮膚炎に関する情報・報告等ついて個人的な検証を試みるものです。

その基本的な目的は、私自身のいわゆる「アトピー」を良くするためであり、個人的な覚書としての性格をもちます。

確実にアトピーが良くなるという情報は掲載されていませんが、もしかしたら、読者各自の個人的なヒントにつながるかもしれません。共有は自由です。とはいえ、くれぐれも参考程度にお留めおきください。

 

(当サイトはいかなる治療法をも推奨するものではありません。また、当サイトに掲載されている情報を利用することにより発生したいかなる損害についても責任を負うものではありません。)