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アトピー覚書ブログ

成人型アトピー 脱ステ・脱保湿患者のブログ

脱保湿をいつまで続ければよいのか?

脱保湿

前回の記事 脱保湿は必要か不要か? - アトピー覚書 の続きになります。

脱保湿後の経過

脱ステロイド・脱保湿を行った人にしか興味のない話かもしれません。しかし、当事者にとっては大問題であり、自らの症状に関する興味のかなりの部分を占めているものと思います。

皮膚症状が悪化して、生まれて初めてステロイド外用薬を使用し、その後、一部の人が、ステロイド外用薬から離脱せざるを得なくなります。さらに、一部の人が、保湿剤からも離脱せざるを得なくなります。ほとんどの皮膚科医が関わったことのない患者群です。

ステロイドまたは保湿剤からの離脱に際しては、多くの例で離脱症状(リバウンド)が起きます。しかし、その厳しい時期を越えると、何ら外用を行わなくても、何とか生活が営めるようになると思います。少なくとも、私の場合は離脱することができ、外用剤をまったく使わない状態にまでもっていくことができました。

とはいえ、そもそも、このような経過をもつ人たちは、皮膚が乾燥していたり、敏感肌であったり、いわゆるアトピー素因をもっていると考えられます。ステロイドまたは保湿剤の影響が残っているのかもしれません。私の場合は、すっかり治ったというわけにはいかず、不安定な状態が続いています。ちょっとしたきっかけで、容易に皮膚症状が悪化してしまうのです。

 

やはり保湿したくなる

私の場合は、脱保湿を始めた頃と時を同じくして、夏に悪化するタイプから冬に悪化するタイプに変わりました。というより、夏にも悪化することはしますので、冬の悪化がより重症化してきたといったほうが正しいかもしれません。

いずれにせよ、秋から冬になると、皮膚が非常に乾燥するのです。乾燥は全身に及ぶのですが、とくに顔や体の皮疹部の乾燥がひどくなります。そして、かゆみが生じます。

そうなると、脱保湿を実践しているけれども、やはり「保湿剤を使いたい」という欲求が生じてきます。しかし、過去に保湿剤による離脱症状を経験しているため、保湿剤を使うとまた悪化してしまうのではないかと心配になります。

そこで、問題となるのが、いつ、どのような状態になれば、ふたたび保湿剤を使って良いのか、という点です。

 

脱保湿療法の基本的な認識

この点、脱ステ・脱保湿療法に関わっている医師はどのようにみているのでしょうか。佐藤医師の著書 *1 から引用します。

まず、脱保湿療法の基本的認識です。

脱ステロイド・脱保湿療法の完了時期(ステロイド依存と保湿依存の消失)の判断は難しく、安易にこの治療法を中止すべきではない。なお、脱ステロイド・脱保湿療法という言葉は、ステロイド依存や保湿依存が消失するまでの全経過を意味する。(p.28)

要するに、

  • 脱保湿をいつまで続けるか判断するのは難しい
  • 脱保湿は保湿依存が消失するまでの全経過を意味する

とのことです。つまり、保湿剤から離脱するだけで脱保湿が完了するわけでなく、保湿への依存がなくなったときに脱保湿が完了するということです。「離脱」と「依存」を分けて考えなければならないということですね。

 

次に、「離脱」症状の期間についてです。

ステロイド外用と保湿の中止後、離脱症状が治まりいったん皮疹が安定するのには、平均2~3カ月かかる。(p.75)

では、「依存」が消失するまでの期間はどのくらいでしょうか。

外用を中止しても約3カ月で問題がなくなるというものではなく、何年にもわたり長期に自分の生活を規則正しくし、健康増進の努力をしていかなくてはならない一種の修業のようなものでもある。特に、離脱症状安定後1~2年間は季節の移り変わりとともに皮膚の一時的悪化が生じやすい。(p.78)

 一言でいうと、わからない、ということのようです。1~2年間は季節によって波がある人が多い。ただし、個人差があるようです。

保湿離脱の約半年後、顔への化粧を行って何の変化も起こさない場合もあれば、保湿離脱5年後にごく少量の保湿剤を肘窩に外用すると、急に広い範囲に苔癬化局面が出現するようなこともある。(p.76)

 半年で影響がなくなる人もいれば、5年経っても影響が残る人はいるようです。 

 

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保湿剤離脱後の個人的経過

私は保湿剤からの「離脱」症状を経て、約4年が経ちます。離脱後1~2年は季節により悪化しやすい、という指摘はその通りだと思います。その後もだんだんと改善してきましたが、今でも「依存」が消失したとは思えません。

依存というと誤解を招くかもしれません。全身に保湿剤を塗らないと正常な皮膚を維持できないような依存状態からは脱しています。依存している実感はありません。

しかし、保湿剤を塗ると悪化してしまうのです。

例えば、冬になると、顔がかゆくなり掻いてしまうので、赤ら顔がひどくなります。かゆみは乾燥からくると思われるので、保湿剤を塗ります。離脱からかなり時間が経っているので、もう大丈夫だろうと考えるのです。

最初の2~4週間くらいは良いです。やはり保湿は大切だと思います。ところが、突然ごくささやかなリバウンド様の症状が起き、湿疹が出たり、乾燥がひどくなったり、発赤してしまいます。部位によっては、そこに掻破が加わると、1日で苔癬化のようにごわごわになってしまうこともあります。

自戒を込めての個人的な意見ですが、脱保湿を行うと言いながら、週に1回、あるいは月に1回、あるいは冬の辛い時期だけ、というように、「依存」状態から抜け出していないにもかかわらず、保湿剤を使用してしまうと、元の木阿弥になってしまうのかもしれません。あるいは、長期・大量に保湿剤(ステロイド)を使用したことで、何らかの不可逆的な変化が起きてしまっているのかもしれません。

いずれにせよ、「保湿剤を使いたくても使えない」状態が今も続いています。

 

脱保湿療法についての個人的評価

脱保湿療法は良し悪しだという評価を否定しません。しかし、個人的には、脱保湿療法を実践して良かったと思っています。全身に保湿剤を塗らないと皮膚を維持できない病状から脱することができたからです。文章にすると一行で終わってしまいますが、本当に辛い症状でした。

この保湿剤離脱前の症状は、ステロイドが効かなくなるときの感じと、異なるものではありますが、少し似ています。私の場合、ステロイドからの離脱直前は、湿疹が抑えきれずに次々と噴出してきた感じでした。一方、保湿剤からの離脱直前は、塗布部の赤みがどんどん増していく感じでした。身体が少しずつ限界に近づいていき、皮膚が「もうそんなおかしなことをするのはやめてくれ」と悲鳴をあげているようでした。

ですから、脱保湿療法を完了したわけではありませんが、全体的に振り返ってみれば現状はかなり改善しているといえるので、方向性としては間違っていないと自己評価しています。

 

(関連記事)

脱保湿の失敗例 - アトピー覚書

 

(当サイトはいかなる治療法をも推奨するものではありません。また、当サイトに掲載されている情報を利用することにより発生したいかなる損害についても責任を負うものではありません。)

*1:佐藤健二(2014). 患者に学んだ成人型アトピー治療―難治化アトピー皮膚炎の脱ステロイド・脱保湿療法 <新版> 柘植書房新社.