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アトピー覚書ブログ

成人型アトピー 脱ステ・脱保湿患者のブログ

タバコとアトピー

原因・悪化因子

アトピー性皮膚炎と科学物質過敏症が、どれほど関係があるのかわかりませんが、私はタバコの煙の匂いが苦手です。

おそらく、私は普通の人よりもタバコ臭に対して敏感です。喫煙者とすれ違ったときなど、その人がタバコを吸っていなくても匂いを感じますし、車内でタバコが吸われている車とすれ違ったときも匂います。タバコくさい場所にしばらく滞在しなければならなかった場合などは、翌日まで鼻に匂いが残ることもあります。

タバコ臭に曝されると、単純に気持ちが悪くなります。健康が害されていると感じます。困ったものです。ただし、最近は、世界的に禁煙・分煙に対する意識が高まってきており、国内でも法律や条例が整備されつつあるので、うれしく思います。

個人的には、路上喫煙だけでなく、公園喫煙の禁止も推進してほしいと思います。私がよく訪れる公園は、かなりタバコに汚染されていると感じます。街で一番タバコくさいのは公園かもしれません。公園では、喫煙者が誰にも遠慮することなくタバコを吸っているからだと思います。

タバコの害がさまざまな分野で明らかになっているにもかかわらず、喫煙者がどういう論理的帰結をもって喫煙をするのか、私には謎です。

こんなエピソードがあります。

タバコ会社の広告に出演していたモデルが、撮影会に訪れていたタバコ会社の重役たちに対し、誰もタバコを吸わないのかと尋ねると、重役の一人が首を振って次のように答えたといいます。

冗談だろ?

我々はそんな××は吸わない。それを売るだけだ。

貧乏人と、ガキと、黒人とバカのためにタバコを吸う権利を用意してやっているだけだ。*1*2

 

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さて、アトピー性皮膚炎にかかわる話をします。

妊娠中の喫煙と、生まれてくる子供のアトピー性皮膚炎発症リスクとの関係について調べた研究  *3 があります。生後から2歳時まで追跡調査を行った結果、喫煙(受動喫煙を含む)が、臍帯血および母体血液中のコチニン(ニコチンの代謝物質)値を増加させたとしています。

150人の母親のうち2人(1.3%)が妊娠中に喫煙した。38人(25.3%)の母親が受動喫煙に曝されたと報告した。臍帯血と母体血液中のコチニン値は高度に相関した(r = 0.71, p < 0.001)。

そして、妊娠中の喫煙は子供のアトピー性皮膚炎のリスクを増加させるかもしれないと指摘しています。

臍帯血および母体血液中のコチニン値の増加とともに、アトピー性皮膚炎(AD)のリスクがみられた。高度に曝露された子供はADのリスクが有意に増加した。

この研究では、喫煙による「血中コチニン濃度」に注目していますが、同じ研究者が、「DNAのメチル化」に注目した研究も行っています。

DNAのメチル化は、がんの原因のひとつとして知られており、それが喫煙によっても生じることが指摘されています。そして、喫煙による出産前のDNAのメチル化が、生まれてくる子供のアトピー性皮膚炎とも関わっているというのです。

TSLP 5'-CpGアイランドのメチル化状態が、出産前のタバコの煙への曝露およびアトピー性皮膚炎とに有意に関連していることがわかった。*4

さらに、このDNAのメチル化は、子だけでなく、孫など後の世代にまで影響するかもしれないのです。Rehan氏らの研究 *5  によると、妊娠中のニコチン曝露が喘息を引き起こすだけでなく、生殖細胞系にエピジェネティック・マークを付与し、次世代の生殖細胞系に永久にプログラムされ伝達される可能性があるとしています。

 

その他、子供が生まれた後についても、受動喫煙に曝された子供はアトピー性皮膚炎を発症する高いリスクをもつことが指摘されています。*6

 

以上のように、タバコの煙に関しては、あまり良い話はないようです。

喫煙は、自己責任で済む話でななく、周囲の人や胎児にまで害を及ぼすおそれがあります。タバコの煙で苦しむ人がいるということに対して、もう一歩理解が深まることを祈ります。

なお、今回は、能動喫煙ではなく、受動喫煙にスポットを当てています。ですから、アトピー患者が喫煙することの影響については触れていません。

 

(引用部分の翻訳および赤字による強調表示は当サイトによります。正確な翻訳を期していますが、正確性を保証するものではありません。)

*1:Bob Herbert, In America; Tobacco Dollars. The New York Times, November 28, 1993.

*2:R.J. Reynolds executive’s reply when asked why he didn’t smoke according to Dave Goerlitz, lead Winston model for seven years for R.J. Reynolds.] Giovanni, J, “Come to Cancer Country; USA; Focus,” The Times of London, August 2, 1992.

*3:Wang I-J et al. Effect of gestational smoke exposure on atopic dermatitis in the offspring. Pediatric Allergy and Immunology Volume 19, Issue 7, pages 580–586, November 2008.

*4:Wang I-J et al. Prenatal smoke exposure, DNA methylation, and childhood atopic dermatitis. Clinical & Experimental Allergy. Volume 43, Issue 5 May 2013 Pages 535-543.

*5:VK Rehan et al. Perinatal nicotine exposure induces asthma in second generation offspring. BMC Med. 2012 Oct 30;10:129.

*6:Krämer, U et al. The effect of environmental tobacco smoke on eczema and allergic sensitization in children. British Journal of Dermatology Volume 150, Issue 1, pages 111–118, January 2004.