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アトピー覚書ブログ

成人型アトピー 脱ステ・脱保湿患者のブログ

NHKきょうの健康のアトピー特集

メディア情報

NHKの番組『きょうの健康』で、2015年7月に「しっかり治そう アトピー性皮膚炎」というテーマが2回シリーズで放送されました。各回の内容は以下の通りでした。

  1. 「皮膚バリアを強くする」
  2. 「ステロイドの疑問解決」

スタジオ解説を担当した専門家は、おなじみの東京逓信病院副院長の江藤隆史氏です。番組の概要は、きょうの健康のホームページに掲載されています。ここでは、2回シリーズを視聴したうえでの個人的感想を述べたいと思います。

 

あまり目新しい内容ではなかったと思います。新しい治療法などの話はありませんでした。新しい知見としては、汗をかくことは必ずしも悪いことではない、という話が出ました。しかし、詳しい解説はありませんでした。全体的に、江藤氏が従来からメディアで話してきた内容と同様であると感じました。

例えば、洗浄や保湿の方法、FTU(フィンガー・ティップ・ユニット)、ティッシュが落ちないくらいベタベタ塗るといったおなじみの解説がありました。

 

個人的に問題を感じたのは、「しっかり治そう アトピー性皮膚炎」というテーマ名です。大前提として、アトピー性皮膚炎を治癒させる治療法は確立されていません。「しっかり治そう」という言葉は、患者に誤解を与えるものです。

また、2回シリーズのタイトルも違和感が残るものでした。1回目「皮膚バリアを強くする」では、皮膚バリアを強くするために保湿剤を塗りましょうとの解説がある一方、2回目「ステロイドの疑問解決」では、ステロイドをきちんと塗りましょうと解説されています。

この点、ステロイドを塗ると皮膚バリアが弱くなることが報告されています。抗炎症作用を差し引いて考えると、1回目は皮膚バリアを強くする話で、2回目は皮膚バリアを弱くする話となり、相反する内容となってしまいます。ステロイドと保湿剤の話は、使用時期などを関連付けてまとめて話さないと、混乱してしまうように思います。

そもそも、保湿剤について、「皮膚バリアを強くする」という表現が適切かどうかも、疑問は残ります。

 

さて、今回のシリーズ一番の見どころは、2回目後半の、ステロイドを「いつまで使えばいい?」という多くの患者がもつ疑問に、江藤氏が答えるところだと思います。

アナウンサー:いつまで使えばいいかと、これも非常に気になりますよね。

江藤氏:これはもうねえ、たぶん見てるみなさんもそういうふうに思ってる方たくさんいると思いますけれども、ステロイドは正しく使っていけば、やめていくことは可能です。けれど、誤った使い方をしていると、やめられないばかりか症状を悪化させてしまうこともあるんですね。

(リアクティブ療法では残った炎症が再発してしまうことの説明がつづく)

アナウンサー:そうしますと、その再発しないためにはですね、どうしたらいい?

江藤氏:肌がきれいになった後も薬を使っていくことをおすすめします。

(プロアクティブ療法の説明がつづく)

アナウンサー:いつかやめられますか?

江藤氏:そうですね、うーん、重症の方では、けっこうこのやり方をうまく長く使っていかなきゃいけないですけども、中等症から軽症の方ではですね、このやり方でいくとスキンケアだけでいい状態を保つことが可能になります。

結局、いつまで使えばいいか、についての具体的な答えは得られませんでした。というよりも、定番の回答が繰り返されたといえます。

そして、良くならない原因は誤った使い方をする患者の側にある、という定番の説明がなされました。

番組中の「誤った使い方」とは、塗る量が少なかったり、途中で塗るのをやめてしまうことなどを指しています。患者が悪化しても、量が少ないからだ、あるいは、途中で塗るのをやめるからだ、と言えば、皮膚科医は責任をとらなくて良い論理です。

 

今回は、新しい話題に乏しいシリーズでした。ステロイドとタクロリムスの宣伝に時間を割かなければならないので難しいとは思いますが、次の機会では汗についての研究などにもっと時間を割いていただきたいと思います。

 

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