読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

アトピー覚書ブログ

成人型アトピー 脱ステ・脱保湿患者のブログ

アトピー性皮膚炎の新薬開発状況

治療薬

抗体医薬

dupilumab デュピルマブ (Dupixent デュピクセント)

IL4Rα抗体 注 サノフィ(株) 国内:厚生労働省申請中 海外:米FDA及び欧州EMA申請中

MEDI9314

IL4Rα抗体 アストラゼネカ(株) 国内第Ⅰ相

lebrikizumab レブリキズマブ

IL13抗体 注 ロシュ社 海外第Ⅱ相

tralokinumab トラロキヌマブ

IL13抗体 注 アストラゼネカ社 海外第Ⅱ相

nemolizumab ネモリズマブ

IL31Rα抗体 注 中外製薬(株)

導出先で開発 国内:マルホ(株) 海外:ガルデルマ社 国内第Ⅱ相 海外第Ⅱ相

tezepelumab (AMG-157)

TSLP抗体 アストラゼネカ社 / アムジェン社 海外第Ⅱ相

XmAb7195

抗IgER / FcγRIIb抗体 ゼンコア社 海外第Ⅰ相

 

PDE4阻害剤

crisaborole クリサボロール (Eucrisa)

PDE4阻害剤 外用剤 ファイザー社 海外:米FDA既承認、処方開始

apremilast アプレミラスト

PDE4阻害剤 経口 セルジーン(株) 国内第Ⅲ相 海外第Ⅲ相

OPA-15406

PDE4阻害剤 外用剤 大塚製薬(株) 海外第Ⅱ相

〔治験情報〕

  • アトピー性皮膚炎の小児患者を対象に0.3%及び1% OPA-15406軟膏を4週間投与したときの安全性及び有効性を検討する多施設共同,無作為化,二重盲検,基剤対照,並行群間試験
  • アトピー性皮膚炎患者を対象として0.3%及び1%OPA-15406軟膏の有効性及び安全性を検討する多施設共同,無作為化,二重盲検,基剤対照,並行群間比較試験

 

JAK阻害剤

baricitinib バリシチニブ

JAK1 / JAK2阻害剤 日本イーライリリー(株) 経口 国内第Ⅱ相 海外第Ⅱ相

〔治験情報〕

  • 中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者を対象としたbaricitinib の安全性及び有効性を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照第II相試験
ABT-494

JAK1阻害剤 アッヴィ合同会社 経口 国内第Ⅱ相 海外第Ⅱ相

  

NSAIDs

GSK2894512

水酸化ステルベン分子(非ステロイド性消炎鎮痛薬; NSAIDs) 外用剤 グラクソ・スミスクライン(株) 国内第Ⅱ相 海外第Ⅱ相

 

核酸医薬

AMG0101

NF-κBデコイオリゴ 外用剤 アンジェスMG(株) 国内第Ⅲ相(主要評価項目で有意差は示されなかった)

 

 

f:id:atopysan:20170310220232j:plain
(2017年3月現在。情報の正確性、網羅性、最新性について保証しません。)

 

各新薬について

現時点において、アトピー性皮膚炎の新薬といえば、まずは抗体医薬が注目されます。

抗体が主に標的とするのは、Th2細胞が産生するインターロイキン (IL) などのサイトカインです。

最も実用化に近いとみられるのが、IL4Rαを標的とするデュピルマブ (Dupixent デュピクセント) です。第Ⅲ相プラセボ対象試験において主要評価項目を達成し、日本厚生労働省、欧州医薬品庁EMA、アメリカ食品医薬品局FDAに申請中です。米FDAから近く承認される見込みです。

IL4は、IL4R (受容体) のタイプⅠ・Ⅱと、IL13はIL4RのタイプⅡと結合できます。デュピルマブは、IL4RのタイプⅠ・Ⅱに共通するIL4Rαサブユニットを遮断することで、IL4およびIL13双方の経路を阻害すると考えられています。

デュピルマブがIL4の受容体を標的とする一方、レブリキズマブやトラロキヌマブはIL13に特異的に結合する物質であるリガンドを標的とします。

ネモリズマブは、アトピー性皮膚炎のかゆみ惹起物質とみられるIL31の受容体を標的とします。今年1月、九州大学がIL-31の産生に重要な役割を果たすたんぱく質EPAS1を発見したとの発表がありました。このEPAS1-IL31経路も注目されています。

tezepelumabが標的とするThymic stromal lymphopoietin (TSLP) は、サイトカインのひとつです。TSLPの発現がアトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー疾患と関係しているとみられています。

XmAb7195は、IgE受容体を標的とし、かつ、IgのFc領域に対するFc受容体FcγRIIbを標的として阻害します。

これら抗体医薬は、主に中等症から重症のアトピー性皮膚炎を対象としています。既存の治療が奏功しない患者を救うことになるかもしれません。ただし、薬価が高くなることが予想されます。

 

次に注目されるのが、PDE (Phosphodiesterase) 4阻害剤です。

外用剤のクリサボロール(Eucrisa)が昨年米FDAから承認され、今年からアメリカで処方が始まりました。

経口剤のアプレミラストは、すでに乾癬等を対象としてアメリカで処方されています。現在、アトピー性皮膚炎への応用が研究されています。

OPA-15406は日本でも治験が始まろうとしています。

これらPDE4阻害剤は、サイクリックAMPを分解することで炎症性メディエーターの産生を亢進させるとみられる酵素PDE4を選択的に阻害すると考えられています。

 

JAK (Janus kinase) 阻害剤は、サイトカインのシグナル伝達を行うJAK-STAT経路においてJAK (ヤヌスキナーゼ) を阻害することで免疫を抑制すると考えられています。

昨年、理化学研究所により、アトピー性皮膚炎患者の表皮細胞においてJAK1が活性化していたとする発表がありました。アトピー性皮膚炎に対するJAK阻害剤の有効性が示唆されています。

JAK阻害剤として、すでに関節リウマチを対象とするトファシチニブ(ゼルヤンツ)が処方されています。アトピー性皮膚炎に対しては、バリシチニブとABT-494が研究開発中です。

 

転写因子NF-κBの転写を抑制するNF-κBデコイオリゴAMG0101は、残念ながら第Ⅲ相試験において主要評価項目で有意差が認められませんでした。

 

(本稿は2017年3月現在の情報に基づいて作成されています。情報の正確性、網羅性、最新性について保証しません。)

(当サイトはいかなる治療法をも推奨するものではありません。また、当サイトに掲載されている情報を利用することにより発生したいかなる損害についても責任を負うものではありません。)